の導入事例

取材協力:2018.8

RaySheetでSalesforceの入力負担を軽減して情報を無理なく一元化
経営指標の可視化に成功

株式会社レインボー・ジャパン様


※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。


株式会社レインボー・ジャパンは「分析」「企画」「設計」「制作」を通じ、顧客の成果につながる価値の高いWebサイトの制作・運営を手掛ける企業です。創業は1991年。伝えるべき相手に、伝えたい情報を、最適な方法で伝えるために、「つたえる」をデザインすることを信条としたサービスを長年にわたり提供し続けています。2018年1月にリニューアルしたWebサイトに掲載されている制作事例の数々にも、そのサービスの品質は表れています。

そんなレインボー・ジャパンでは2014年からWeb制作の工数管理と情報の見える化のために、Salesforceを導入。導入後に発生した課題解決のために、2017年10月に「RaySheet」を採用いただきました。採用にいたるまでの課題や導入効果について管理部 経理担当課長の新井晶子様にお話しを伺いました。


【課題】紙ベースの勤務表と経費精算をデジタル化したい

1つのWebサイトを制作するには、プロデューサー、Webディレクター、デザイナー、フロントエンドエンジニア、プログラマ、などの様々なスキルが必要となるため、多くの人員が投入されます。Web制作にかかった工数を管理する業務では、プロジェクトに対して作業を行った人の勤務時間から実際にかかった人件費を算出し、プロジェクトごとの工数(原価)を計算します。Salesforce導入前のレインボー・ジャパンでは紙の勤務表をスタッフごとに集め、管理部でAccessに入力してプロジェクトの工数を割り出していました。しかし、紙ベースの勤務表ではアサインされた人員の勤怠をリアルタイムで把握することは難しく、正確性も足りなかったそうです。工数を速く正確に把握して現状把握と課題の発見、将来予測といったビジネス改善に繋げたい。この課題を解決するために、セールスフォース社から提案を受け2014年10月に「Sales Cloud」と勤怠管理ができる「TeamSpirit」の導入意思決定が行われました。その時、プロジェクトリーダーとなったのが管理部 経理担当 課長の新井さんです。


【導入】Sales Cloud とTeamSpiritで リアルタイムの工数管理

新井さんはSalesforceの導入支援サービスを提供しているSIerである株式会社スカイアークに開発を依頼しました。担当はセールス・マーケティング コンサルタントの岩田将典さん。スカイアークはレインボー・ジャパンと同業種のWebサイト制作を請け負うSIerです。しかし、両社のビジネスはフロントエンド構築中心とバックエンド構築中心といった違いがあり競合ではありません。むしろ、同業種だからこそわかるビジネスロジックや専門用語などの共通ナレッジを持つため、非常に良いパートナーシップを結んでいるとのこと。

その実例ともいえるのが、スカイアークの提案によりSalesforceで勤怠管理と経費精算を行えるサービスとして「TeamSpirit」を採用したこと。TeamSpiritでWeb制作の工数管理する手法はスカイアークでも行っている方法だそうです。TeamSpiritは勤怠管理、工数管理、経費精算ができるクラウドサービスです。TeamSpiritに入力された勤怠データをSalesforceと連携させることで、1プロジェクトにかかる工数をSalesforce上でリアルタイムに把握できるようになります。

新井 晶子 様
新井 晶子 様
株式会社 レインボー・ジャパン
管理部 経理担当 課長

レインボー・ジャパンの場合はSalesforceの商談でプロジェクトの工数管理を行えるようにカスタマイズしました。クライアント名や売上予定日、納品日といった基本情報の入力項目に加え、TeamSpiritと連携させたメンバーのアサインを実現。Salesforceのプロジェクト(商談)画面上でTeamSpiritのメンバーを自由に追加できるようにしたのです。追加されたメンバーは、Salesforceを使わずTeamSpiritで勤務時刻を入力。勤怠状況はTeamSpiritの機能で自動集計しSalesforceに送られます。その結果がプロジェクト(商談)画面に反映するので、プロジェクトを管理するプロデューサーはSalesforceの画面だけで、どの職種の誰がどのくらいの時間そのプロジェクトに従事しているのかをリアルタイムで把握できます。また、作業時間やその内容に応じた「貢献度」をアサインしたメンバーごとに手動で入力する機能も実装。これにより人事考課でも利用できるようになるなど、Salesforce導入は経営管理全般の改善効果が期待できるものでした。

「アサインされたメンバーはTeamSpiritのスライダーUIで工数を入れることができますし、原価計算に必要なデータはしっかり入ってくるので、管理部の作業はすごく効率化されて便利になりました」と新井さん。


プロデューサーの負担増。入力に時間がかかりすぎる

Salesforce導入後は紙の勤務表を集めてAccessで工数計算していた状況から一変。それまで見通しの悪かったプロジェクトごとの工数がSalesforce上でリアルタイムに把握できるようになりました。しかし、プロジェクトを直接監督するプロデューサーの負担が増えるという新たな課題が生まれました。「アサイン」のための入力という手間が増え、そのUIの使い勝手は良くなかったといいます。

工数をリアルタイムで把握するにはアサインの入力が不可欠ですが、Visualforceページの標準コンポーネントで作られたアサイン画面は[アサイン画面に遷移]→[メンバー選択]→[作業が始まる日][作業が終わる日]などを入力というステップを投入人員分行うというもの。レインボー・ジャパンが手がけるWeb制作プロジェクトは月に40〜50本ほどもあるそうで、大規模サイトでは15人を投じることも。それを3人のプロデューサーで取り仕切っているため、さまざまな負担が大きくアサインに多くの時間がかかってしまうUIについてプロデューサーから改善要望が上がりました。Salesforce導入以前はアサイン作業が手間になることはなく、この入力作業はプロデューサーに大きな負荷をかけたのです。

それについて新井さんは、「プロジェクトの受注から商談を作り、誰をアサインするか決め、見積り作成…とスタートから全部プロデューサーがやっている感じですね。なので、プロデューサーの負担をなるべく減らしたくてどうしたらいいかと岩田さんに相談しました」

岩田さんはVisualforceでUIの改修を重ねましたが限界があり、なかなか納得してもらえるものを提供できなかったといいます。プロデューサーにもっとSalesforceを使ってもらい、どれだけ便利かを理解して欲しいという課題を抱えたまま時間が過ぎました。

そして、2017年8月。ExcelのようなUIでSalesforceの入力・編集できる製品があると岩田さんから紹介されたのが、「RaySheet」でした。2ヶ月間の試用を経て10月に正式導入が決まります。


Salesforceの導入前と導入後の比較

RaySheet導入前の課題

  • Salesforceで工数管理するために不可欠なアサインデータを入力しづらい
  • Salesforce導入前よりもプロデューサーに負荷がかかってしまう
  • SIerに依頼してVisualforceで画面をカスタマイズしてもらうも満足できない

【導入効果】入力時間半減。Excelで行を追加するのと同じ要領でアサインが可能に。

岩田さんが提案したのはRaySheetの「どこでもView」という機能を利用し、プロジェクト(商談)の詳細ページ内にアサイン用のExcelライクなUIを埋め込むというもの。RaySheetは、SalesforceのデータをExcelとほぼ同じ操作性で入力したり、編集したり、フィルタリングできるようにするSalesforce専用アプリ(AppExchangeアプリ)です。詳細画面を開かなくても一覧上で複数のレコードをExcelのように編集できます。

「どこでもView」はRaySheetで作成した一覧画面をSalesforceの詳細画面など「どこにでも埋め込む」ことができる機能です。これにより、プロデューサーはプロジェクト(商談)ページを作ったらその画面から遷移せずにExcelの行を追加するのと同じ要領でTeamSpiritのメンバーを登録できるようになりました。1行=1メンバーです。作業の開始日・終了日もExcelのセルに入力するのと同じ感覚です。プロジェクト期間の変更もその場で日付を上書きできるなど、Excelと同じ感覚でデータの編集・登録が可能です。さらに「TeamSpirit」から自動集計される作業時間を見ながら、貢献度の割合も連続して入力できるようになりました。

実際、プロデューサーから良い評価を得られたそうで「みなさん『RaySheet』のほうが見やすい、わかりやすい、使いやすいと言ってくれます。それに、アサイン時に入力ミスがあると登録NGとなるようにスプレッドシート上でチェック機能を加えたため、プロデューサーのアサインミスがなくなりました。アサインミス修正作業も管理部には重い負担だったので、とても助かっています」と新井さん。


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▲ どこでもView導入前のVisualforceでカスタマイズした画面スクリーンショット

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▲ どこでもView導入後の同じ画面

RaySheetで経営管理に必要な情報が無理なくSalesforceに集まる

経営管理全般の情報に基づいた現状把握と課題の発見、将来予測といったビジネス改善に繋げたいというSalesforce導入の当初の目的は、RaySheetの採用によりデータ入力負担が軽減したことで大幅に進みました。TeamSpiritとの連携による工数管理のほか、会計ソフトの「弥生会計」で管理している一般経費などをSalesforceに取り込む作業もRaySheetを使うことで改善できたそうです。以前は弥生会計から抽出したCSVをSalesforceの「データローダ」で取り込んでいましたが、取り込める形に整形するのにひどく手間がかかっていました。この点をスカイアークの岩田さんに相談したところ、グレープシティのブログ記事に解決策があると教えてもらったとのこと。

「ブログを参考にして、データローダを使わないで作業するようになりました。弥生会計からその月の総勘定元帳をダウンロードし、ExcelとSalesforce(ブラウザ)の2画面を起動して直接コピー&ペーストするだけで済みます。以前は取り込み時にエラーが起きると原因の特定と修正の繰り返しで3~4時間かかる作業でしたが今は30分で終わるようになり、だいぶ効率化できました」と新井さん。

こうした入力負担の改善で工数管理や一般経費管理などの情報が関係各部署からスムーズにSalesforceに集まるようになり、経営判断に役立つ情報が無理なく一元化されました。現在はリアルタイムでどのくらいの利益が出ているのかを一目で把握できるまでになっているそうです。


RaySheetのUI効果で新たなアイデア。管理部の作業時間が50%削減

レインボー・ジャパンのSalesforceは顧客情報ももちろん管理しています。この情報をRaySheetで整理して、毎年行う「年賀状の送付作業」に活用してはどうかというアイデアが管理部で生まれました。

RaySheetで年賀状を送る顧客(取引先責任者)を担当プロデューサーごとに絞り込んだ画面を作りました。そのままExcelにエクスポートしプロデューサーが年賀状の送付先をチェックができるようにしたのです。従来はSalesforceとは別の作業フローだったそうで、顧客の名刺から情報をExcelに入力し、年末が近づくと転職したり、会社が移転したりしている人がいないかを担当プロデューサーに確認して変更があれば新しい名刺をもらい、情報を更新していたとのこと。これをRaySheetを活用することで、事務スタッフの作業時間は前年の50%ほどに抑えられたそうです。

RaySheetを使った業務改善はまだまだ広がりそうで、新井さんと岩田さんは今度は、見積りシステムを「Salesforce+RaySheet」で構築しようとしています。「これも、アサイン作業の入力負荷を減らすために『RaySheet』を導入したからこそ、生まれたプロジェクトです。今回は最初のミーティングからプロデューサーに同席してもらったのですが『ここに見積りの数字を入れるだけでいいなら』と好感触でした。私の目標は今年中にこの見積システムを導入することです」と新井さんは意気込みを語ってくれました。

RaySheetの導入効果

  • 「どこでもView」により社員のアサインが簡単になりプロデューサーの負荷が減った
  • 外部データの取り込みに3〜4時間かかっていたものが30分で終わる
  • 年賀状の送付リスト作成などSalesforceの新たな業務改善アイデアが生まれる


【この事例の導入支援パートナー】

株式会社スカイアーク

「Movable Type」によるCMS専門のシステムインテグレーション事業を展開。さらに、Salesforce CRMによる顧客管理のシステム化など、顧客に適したクラウドインテグレーションも得意としている。

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企業情報

株式会社 レインボー・ジャパン様

株式会社 レインボー・ジャパン様

所在地
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿1-3-1 朝日生命恵比寿ビル1F
設立
1991年1月
事業内容
webサイト制作・運営/アプリ開発・運営。
「分析」「企画」「設計」「制作」を一貫し、成果につながる価値の高いwebサイトの制作を手掛ける。さらに、継続的な運用・改善により長期的なサポートも行っている。
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