※ 株式会社セールスフォース・ドットコムは2022年2月1日付で社名を「株式会社セールスフォース・ジャパン」に変更しました。
取材協力:2019.4
日本に3人しかいない「Golden Hoodie」保有者がSalesforceでRaySheetを活用する理由
ネオス株式会社様
※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。
ネオス株式会社様は、2004年に創業し15周年を迎えるICT企業です。専門的知見とクリエイティブ力を強みとするコンテンツ事業、サービス事業者向けのエッジデバイスソリューションを展開するデバイス事業、そして法人向けのサービスを展開するソリューション事業の3事業を併せ持っているのがユニークです。
ソリューション事業は、企業のニーズにこたえてデザインから開発、運用までをワンストップで対応するSI事業と、自動応答システムのチャットボット「SMART Message BOT」等の自社プロダクト事業の2軸で展開しています。
そんなソリューション事業において、見込み客とのコミュニケーションを深める目的でマーケティングオートメーションツールの「Pardot」と共にSalesforceも導入していたのですが、2017年からSFAとして営業部分でも本格的に活用していくということになりました。その頃それまでの管理者が退職することになり、ITとは別の職種に従事していた佐藤夕佳様に声がかかりました。佐藤様はそこからさまざまなIT系の資格を取得し、Salesforce World Tour Tokyo 2018に登壇。日本で3人しか持っていない「Golden Hoodie」をプレゼントしてもらうという偉業を成し遂げました。今回は、そんな佐藤様に、Salesforceの達人になり、「RaySheet」を導入するまでの経緯や導入効果についてお話を伺いました。
【課題】6年半の専業主婦から巨大イベントに登壇するTrailblazerにキャリアアップ
まずは佐藤様のキャリアからご紹介したいと思います。佐藤様が新卒の時代は、就職氷河期真っただ中。そこで、アルバイトしていた縁からマクドナルドに入社しました。3年半働き結婚を機に退職。6年半ほど家事と育児に専業していました。その後、調査企業でのパートタイム、契約社員を経て2016年4月、地元の友人に誘われネオス様に入ることになったそうです。
「何のスキルもない状態だったので、庶務として入社しました。しばらく経った12月ごろ、Salesforceをきちんと活用していこうという話になったのですが、その時の管理者が退職することになりました。そこでSalesforceをやってみないか、と声をかけられたのがSalesforceに関わるようになったきっかけです。」(佐藤様)
ネオス株式会社
ソリューション事業本部 サブリーダー
Salesforceのことは何もわからないので、佐藤様は率先してユーザー会に参加しました。ユーザー会では、いろいろな事例を聞くことができ、とても勉強になったそうです。また、同時にSalesforceを学習する動画コンテンツもひたすら見ました。そして資格の取得にチャレンジします。
「勉強し始めてから10か月くらい経った2017年10月ごろにSalesforce 認定アドミニストレーターの資格を取りました。2018年1月にはSales Cloud コンサルタントという資格を取り、先日Platform アプリケーションビルダーも取得しました。」(佐藤様)
資格を取得したのは、Salesforceのコンサルティングパートナーになるためです。そのおかげで、2018年6月には認定をもらい、SalesforceのWebサイトにも掲載されています。佐藤様は精力的にユーザー会に参加することでメンバーと親しくなり、Salesforceシステム管理者のためのコミュニティグループである「SJAG(Salesforce Japan Admin Group)」の管理者の一人に抜擢されます。そんな中、セールスフォース・ドットコムの人にもともとは主婦業に専念していたことを話すと、驚かれたようです。そして佐藤様は2018年12月に開催された「Salesforce World Tour Tokyo 2018」にTrailblazerとして登壇することになりました。ちなみにTrailblazerとは先駆者という意味で、Salesforceを駆使してビジネスを改革する人たちの呼称です。
その時、全世界で30人、日本で3人しか持っていないSalesforceの金色パーカー「Golden Hoodie」をセールスフォース・ドットコムの共同創設者/CTOのパーカー・ハリス氏からプレゼントされたのです。「私がもらうまでは優れたシステム管理者がもらえるものでした(笑)。タイミングがよかったんです。」と佐藤様は笑いますが、これはまさに快挙と言えます。
ネオス様がSalesforceを導入したのは、佐藤様が入社する前の2016年1月。Salesforce一体型のマーケティングオートメーションツール「Pardot」を利用するために契約したそうです。とはいえ、せっかくSalesforceを使っているのですから、営業部でも活用しようということになり、2月決算の後、2017年3月から本格的に導入することになったそうです。
しかし、Salesforceに登録されているデータは入力揺れや不整合が多く、そのままでは活用できないことに気が付いた佐藤様は愕然とすることになります。手動で修正していては、数か月はかかってしまう分量でした。佐藤様は途方に暮れてしまいました。
【導入】大量のデータを一括修正する際にRaySheetが大活躍
2017年3月に「AppExchange EXPO 2017 Spring 東京」が開催され、30以上の定番アプリが一堂に会しました。佐藤様も来場し、「RaySheet」に出会います。ユーザー会で、SalesforceでExcelのようにデータを扱える「RaySheet」のことを耳にして、そんな便利なものがあるのか、と探したそうです。Excelのように一覧上でデータの作成・更新・削除ができ、大量のデータからでも任意の条件で自由に絞り込むのは手間が省けます。
「どこでもView」機能で、どの画面にでもRaySheetを組み込めるのも便利です。とはいえ、Salesforceのアカウントを増やした直後だったため、大きな予算が取れなかったのですが、「グレープシティさんが2ライセンスなら無料でいいと神対応してくれました。」( RaySheet初期版リリース時のキャンペーンで配布したもの。現在は実施していません)と佐藤様。すぐに導入を決めたそうです。
ネオス様のビジネスは名刺が起点となることが多いのですが、Salesforce導入以前に使っていたデータをSalesforceに移行する際に、名刺をOCRにかけただけの状態のまま取り込んでしまったという経緯があります。そのため、〇〇工業の「工」がカタカナの「エ」になっていたりと、揺れや不整合の多いデータが大量に作成されたため、佐藤様は途方に暮れていたのです。
「Pardotでメールを送信するためには、Salesforceのデータをきちんと整理する必要があります。その時にRaySheetが大活躍してくれました。Salesforceの標準機能では、一覧で修正箇所を見つけたらそのレコードに入って、詳細で編集して保存して、一覧に戻るというのが非常に大変だからです。RaySheetでは、業務に必要な項目をビューに表示し、フィルタ機能で絞り込んで簡単に修正できました。」(佐藤様)
他にも、オフィスの住所が変わったときにも活用しています。「プロセスビルダーで取引先の住所が変わったら、取引先責任者の住所も変えるということはできます。しかし、複数の拠点がある会社の場合、〇〇支店の人だけ住所を変えることはできません。そんな時は、RaySheetが便利です。」と佐藤様。
以前、インサイドセールスをやっていた時には、どのリードに誰が電話をかけるのかというのをRaySheetでサクッと入力していたそうです。営業のメンバーはレポートを見るだけで、誰に電話すればいいのかわかるのでスムーズに業務フローを進められるようになりました。
RaySheet導入前の課題
- データの揺れや不整合が大量にあり、その修正が発生した
- プロセスビルダーで対応できない住所変更を行いたい
- リードの担当者を手軽に振り分け共有したい
【導入効果】作業時間は4~6分の1に短縮、魔法のツールは社員にも好評
名刺データの整理の時は、確認したデータは1万5000件にもなり、普通に作業していたら2~3か月かかるところだったそうです。しかし、RaySheetを使うことで大量のデータをまとめて確認・修正できたので、2週間で済みました。作業時間が4~6分の1になったのです。
また、Pardotでメールを送信する際、送信NGの相手にも送ってしまわないように、社員は自分で名刺を登録しないようにルール化しました。勝手にデータ化せず、庶務に名刺を渡してもらい、メール送信OKとNGに分けてもらっているそうです。送信OKの方はそのまま取り込んで自動連係します。NGの方は手動連携設定で読み込み、RaySheetで対象レコードを送信NGにします。その時点で送信NGの設定が必要なデータだけをRaySheetで表示できるようビュー設定をしているので、抜け漏れなく配信停止操作を行えるようになりました。
今回の取材にあたり、佐藤様はRaySheetを利用しているユーザーにヒアリングしたところ「とても使いやすい」といった声が集まったといいます。また、2019年1月には、「SMART Message BOT」の担当部署から、佐藤様が使っている魔法のツール(RaySheet)をうちでも使いたい、という声が寄せられ、導入したそうです。
「お問い合わせフォームから無関係のデータが入ったときにも助かりました。問い合わせとは関係のないデータが大量にリードに入ってしまったことがあったのですがそれを削除する際、本当に消してよいのかを確認するため、RaySheetを活用しました。メールアドレスのドメインで絞り込み、まとめて確認・削除したので、短時間に対応することができました。」(佐藤様)
Salesforceもビュー機能を強化してきていますが、やはり大量のデータを一括更新するのは苦手だそうです。RaySheetはデータローダやインポートウィザードよりも楽に入力ができるだけでなく、フィルタで条件を絞ってデータを確認・更新できるのが便利なのでたくさんのレコードを扱ったり、複数条件があるレコードを絞り込んで更新する場合に重宝しているそうです。
リアルな営業活動の記録をデータとして残すことは簡単そうに思えても手間がかかり、現場への負担が累積します。可能な限り営業部門の入力の手間を楽にするために、RaySheetを積極的に活用しているとのことです。
RaySheetの導入効果
- 1万5000件のデータ集計時間が2~3か月から2週間に短縮できた
- 使いやすいので社員が積極的に活用してくれている
- 大量の不要データを手軽に整理できた