取材協力:2019.6
Excelと同等のUIをSalesforce開発に利用できたことで顧客の要望を満たし、工数も削減
IT FORCE株式会社様
※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。
IT FORCE株式会社様は、2006年に設立されたシステムソフトウェアの開発を手がける企業です。従業員は73名で、オンサイトのシステム開発や中国でのオフショア開発に加え、2014年からはSalesforce CRM/Force.comの導入支援と関連する連携システムの開発を行っています。
Salesforce導入支援・開発事業は順調に拡大し、手がけた案件はすべてプライム案件で実績は200社を超えています。その中には、RaySheetやRayBarcodeと一緒にSalesforceの導入を支援した案件がいくつもあります。
今回は、IT FORCE株式会社クラウド開発部 部長の武内悠太郎様とクラウド開発部の山崎陽祐様に、Salesforceの導入支援を始めた経緯や、開発の際にRaySheetやRayBarcodeを採用した理由についてお話をお伺いしました。
新しい経営の柱を探してSalesforceに出会う
IT FORCE株式会社様はSESによるシステム開発を主に手がけていましたが、2014年頃経営の視点からもう1本、新しい事業展開を検討した結果、Salesforce開発事業に踏み切りました。
「我々は開発会社ですので、手を動かす開発に関しては得意分野だと自認しています。オンプレミスやAWS開発もあるのですが、さらに先に進んだSaaS開発に注目しました。中でも、国内外で売上が伸びているSalesforceに注目し、我々にとっても大きなビジネスチャンスになると考え、事業をスタートしました」(武内様)
IT FORCE株式会社
クラウド開発部 部長
Salesforceでの開発は従来の開発とはいろいろ異なるポイントがあります。Salesforceは開発と運用のプラットフォームが用意されているので、例えばセキュリティ面を考慮したり、データベースの可用性やサーバーの冗長性といったインフラを意識しなくて済みます。「その分、純粋に顧客の業務をSalesforce上にどう実現するか、というところに注力して開発できます」と武内様。開発者としては、すべてがクラウド上に存在するので、効率のよい開発ができるそうです。
とはいえ、当時はSalesforceに関する知見も経験もなく、大量のデータを一括入力したいといったニーズに対しては、一括入力の画面やCSVでインポートする機能などを開発していたそうです。元々コスト低減を提案していたため、他のサービス導入よる費用発生は言い出しにくかったそうです。「かなり高機能な画面も、スクラッチで開発していました」と武内様は振り返ります。
RaySheetの導入前の課題
- 自社で画面開発を行うため、受注の要件に対して開発工数がかさんでいた
【導入】RaySheetを初めて触った時に「まさしくこれだ」と感じた
地道な実績を積み上げること数年、順調に事業が拡大し、体制が整ってきました。そして2016年12月、Salesforce様とIT FORCE様、グレープシティの3社で、ある建設会社にSalesforceとRaySheetの導入提案を行いました。
SalesforceとRaySheetを組み合わせることで、それまで使っていたExcel と同じような操作性を維持できるため、既存の業務をそのまま実現することが出来、満足いただけたそう。この時が、IT FORCE様がRayKitを知ったきっかけになりました。
「RaySheetを初めて使ったときには、まさしくこれだ、という感じでした。我々と言うよりは、お客さまが「あ、Excelですね」と言ってくれました。この頃には、お客様の要望に合わせてサードパーティ製品の利用も含めた見積りを出せるようになり、一括入力画面やExcelライクな画面の要望が出たときに、開発と共にRaySheetも提案するようになりました」(武内様)
その後も、SalesforceとRaySheetを同時に導入する案件が続きます。例えば、ある人材紹介会社では、大量データの入力を行うというニーズがありました。何百件もの商談を管理する大規模なシステム上で、請求や支払業務を実施し経費精算も行うため、Salesforceの標準画面に1件ずつ入力するのでは大変な手間がかかります。そこでRaySheetを導入し、Excelのように手軽に入力できるようにしたのです。
他にも、予算と実績の対比をしたいという要望に応えて、RaySheetを導入しました。それまでは営業担当者ごとに予算が割振られて、それに対する実績をExcelで管理をしていたそうです。
「予実管理のExcelデータをSalesforceに取り込みたいとのことだったので、SalesforceのCSVデータを一括入力する機能(データローダ)を紹介しました。しかし、ある程度知識がないと使いこなすのが難しく、また結果をすぐに確認出来ないため、とても利用できないと言われました。そこで、RaySheetをご提案し、Excelのデータを直接画面に貼り付けられるようにしました」(武内様)
実際、RaySheetがなければ、画面を開発するか、難しいツールをなんとか使ってもらうしかありません。スクラッチで画面を開発すると、人月単位でコストが発生する上、保守費用も発生します。RaySheetなら、最初の説明や設定は必要ですが、その後は単純にライセンス料だけで済んでしまいます。そう提案すると、お客さまは決まってRaySheetを選ばれるとのことです。
「普通に画面を開発する場合、当初見積より必ずご要望が増えていきます。開発画面では工数を積めば機能を増やすことは可能なため、ご要望に合わせて改修を加えていくと画面機能自体が複雑化していきます。するとバグの温床にもなりかねないので、リスクが高くなります。RayKitならこのリスクを吸収できるので、開発ベンダーとしては大きなメリットと言えます」(武内様)
【導入効果】開発者目線では問い合わせに対するレスポンスが早いのがありがたい
2019年1月には、ある時計メーカーのSalesforceの初期導入支援・開発を手がけました。その際、RayBarcodeも同時に導入しています。
販売店の方は販売した金額や本数といった実績を入力し、週報を作成していましたが、とても手間がかかっていたようです。そこで、売れた商品のバーコードを読んで、その情報を直接週報に反映させたいという要望がありました。
「RayBarcodeがない状態でこの案件が来たら、多分できないと言っていたと思います。カメラでバーコードを読むというところがネックになるのです。バーコード読み取り機を使って読み込んだデータを、我々のプログラムからSalesforceに登録するといった開発をしないと実現できないので、予算的に無理です。パソコンやバーコード読み取り機も販売店ごとに用意してもらう必要があります」(山崎様)
この案件は最初からRayBarcodeとセットで提案したので、スムーズに開発が進んだそうです。RayBarcodeなら、パソコンやバーコード読み取り機がなくても、スマホがあれば利用できます。
「RayKitには開発のサンプルが用意されていたので、技術的に迷うところはありませんでした。また、開発している時にグレープシティさんに、こういうことできますか?と問い合わせをしたのですが、レスポンスよく返答をいただけたので、とてもありがたかったです」(山崎様)
IT FORCE株式会社
クラウド開発部
バーコード機能のインフラ部分をRayKitに任せられるうえ、問い合わせに対応するテクニカルサポートもグレープシティが提供しています。初期の操作説明をすることもあるそうですが、RayKitのマニュアルのリンクだけ渡して済むケースもあるとのことです。
RaySheet導入後の効果
- ほとんど工数をかけず顧客の求める機能を搭載できる
- インフラやサポート、マニュアルをグレープシティに任せられる
今後の展望
「Salesforceの導入支援・開発事業は伸びてきているのですが、まだ、目標とする売上規模には達していません。2019年度は目標値まで押し上げていくために、人員や案件規模も増やしているところです。事業規模も大きくなってきましたので、今後は、より大規模な案件を増やしていきたいと思っています。そうなると、画面を一から開発するというご提案ではなく、サードパーティの製品を組み合わせて提案することが多くなってくると思います。そういった中で、グレープシティさんとうまく手を取りあい、お互いにとってよりプラスとなる関係を築くことが出来れば良いと考えています」と武内様は今後の展望を語ってくれました。