※ 2018年9月12日よりGrapeCity SpreadsheetはRaySheetへ名称変更しました。
※ 株式会社セールスフォース・ドットコムは2022年2月1日付で社名を「株式会社セールスフォース・ジャパン」に変更しました。
取材協力:2018.5
GrapeCity Spreadsheet導入で営業に負担をかけず、案件発生から受注までをSalesforceに登録できるようになった
株式会社 情報戦略テクノロジー様
※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。
SI業界初の「ゼロ次請け」というコンセプトを掲げ、クライアント企業のシステム開発を要件定義(FRP)から構築、納品後の運用支援サービスまで一気通貫で提供する「情報戦略テクノロジー」様は、労働条件が厳しいといわれるSI業界の常識を超え、残業時間、月平均13.時間、離職率は4.5%(2016年データ)という、抜群に働きやすい環境を実現。業績も1.5倍から2倍のペースで拡大中という革新的なSI企業です。
メインのビジネスは、システム開発を依頼するクライアント企業に技術者が赴き、システム構築や運用支援を行う業務委託型のシステム開発サービス。開発依頼案件が発生すると、技術者のアサイン、スケジュール調整、料金調整といった商談プロセスを経て受注へといたる営業フローです。情報戦略テクノロジー様では、これらの業務管理をSalesforceとGoogle スプレッドシートで行っていましたが、案件発生から受注までを一連のデータとして分析することができなかったそうです。その課題を解決するためGoogleスプレッドシートを廃止しGrapeCity Spreadsheetが採用されました。
本事例では、GoogleスプレッドシートからGrapeCity Spreadsheet に置き換えたことにより解決した課題と新たに得られた導入効果を、採用時に重視したポイントを含めて詳しく紹介します。
お話を伺ったのは営業部本部 副本部長の岡野様と営業管理課で営業事務をとりまとめている池田様。業務委託型の営業案件でSalesforceを利用する上で、Excelライクな一覧表示や入力操作性がもたらす効果をマネージメントと運用面、視点の双方で語っていただきました。
SalesforceとGoogleスプレッドシートで行っていた業務とは?
営業部門の商談、受注、売上管理にSalesforceを利用しています。Googleスプレッドシートを使っていたのは案件の発生からSalesforceの商談に登録するまでの部分です。システム開発について顧客から問い合わせがあったら、Googleスプレッドシートのテンプレートに顧客情報や要件、派遣する技術者の人数、工数、見積額、確度などを入力して商談を進め、受注に近くなったらSalesforceの商談オブジェクトに登録していました。
実は、Salesforceで案件の発生時から商談を管理しようとしたのですが、入力工数がかかり過ぎて、商談が進むごとにデータを更新するという進捗管理が定着しませんでした。Salesforceは1件ごとに詳細画面を開いてデータ入力する必要があります。営業案件は入力する項目も多く、情報更新のたびに担当案件をレポートで作成した一覧から探して、詳細画面に遷移して状況を入力させるのは負担が大きすぎました。それで、Googleスプレッドシートを使うことになったのです。
Googleスプレッドシートでの案件管理の問題点とは?
営業プロセスは案件発生から商談ステップ、受注、売上に至るまで連続していますが、Googleスプレッドシートから、人の手でSalesforceの商談に登録する時点でデータが連続せず途切れてしまいます。どの案件がどういう商談プロセスを経て、受注に至ったのかを分析できませんし、案件全体の受注率もわかりません。
また、どの段階でデータを登録するのかも営業マンによって違います。失注しそうな案件はそもそも最初から登録しないなどの場合もあり、全体の営業成績が見えませんでした。現場の営業担当者は、自分の担当する案件を受注するところに力を注ぎますが、営業全体をマネージメントする方としては、案件から売上に至るまでの営業プロセスを正しく分析できなければ、売上を伸ばすための施策を考えることもできません。そこで、なんとか案件の発生時点から受注までのプロセスをSalesforceで管理できないかなと考えていました。
GrapeCity Spreadsheetを導入前の課題
- Salesforce標準の入力画面は営業担当者が入力を敬遠しがちで運用が定着しない
- Google スプレッドシートで行う案件管理は状況や進捗が見えない
- 受注につながらない案件はSalesforceに登録されないこともある
- 正確な業績分析ができない
Googleスプレッドシートの入力と同じ方法でSalesforceにデータ登録したい
現場の営業担当者に入力工数の負荷をかけず、できればGoogleスプレッドシートと同じ入力画面で、Salesforceにデータを登録できるツールはないかとセールスフォース・ドットコムの営業さんに相談したところ、SalesforceをExcelと同じ入力・編集操作性にできるというAppExchangeアプリの「GrapeCity Spreadsheet for Salesforce」を勧められたのです。
AppExchangeアプリストアから、Sandboxにインストールして試してみたところSalesforceに新規の商談を登録するのがExcelで「行」を追加するのと同じように行え、これまでGoogleスプレッドシートで登録していた画面と同じものが作れそうでしたので、これは使えると思いました。
現場の画面は変わらない一方で、案件全体の見通しは劇的に良くなりました。まず1画面で商談案件を [営業担当所属>営業担当>企業>案件] といった複数の階層でグループ化できたのが良かったです。Salesforceのレポート機能はグループ化の階層数に制限があるのですが、GrapeCity Spreadsheetはその制限がなく快適です。また、人材情報に対する派遣先の提案状況を関連オブジェクトにしているのですが、1画面で誰に何を提案しているのか把握できるので重宝しています。
さらに、Excelと同じようにデータの値によって、セルの背景色を変えるといった「条件付き書式」も視認性を高める点で良いです。商談フェーズが「提案」に変わったら色を変えるようにしているのでひと目で状況を把握できるようになりました。現場に負担をかけず、案件の最初の段階からSalesforceに登録できるようになり、データの見通しは劇的に良くなったので、満足しています。
メールのやり取りが半減。GrapeCity Spreadsheetを導入したからこそできた業務自動化
GrapeCity Spreadsheetを導入したため、現場の入力負担を変えずにSalesforceにデータを登録できるようになったので、営業案件の初期から受注までの一連の営業プロセスをSalesforceで管理することが可能になりました。これにより一部の業務を自動化できたのです。
業務委託型のビジネスなので、案件が発生するとクライアントに派遣する技術者をアサインします。従来は営業担当者がメールや電話で取引のある技術者に連絡したり、協力会社に募集の通知をしたりしていましたが、この部分をSalesforceで自動配信する仕組みを作ることができました。おかげで以前よりも人材が集まりやすくなり、メールのやり取りが半減しました。この仕組みを実現したことで営業の案件登録率もGoogleスプレッドシート時代より上がりました。Salesforceに案件を登録すれば、人材募集の業務を自動化できるので営業担当者が自分の作業量を削減できるメリットがありますからね。
GrapeCity Spreadsheetは視認性がよく非定形作業の入力ミスを50%削減
入力時に画面の視認性が良くなったことで、営業事務作業の入力抜け・漏れも削減できました。営業事務では、受注した案件の金額を売上ベースのオブジェクトに再入力する作業があります。どちらもSalesforceで管理しているデータですが、売上は受注後に派遣した技術者の稼働時間などを調整して反映する必要があり、この部分を目視による手作業で行っています。
実は営業部員の目標は売上ベースなので、この作業で抜け・漏れがあると、達成したはずの売上が実はまだだった…といった事態に陥ることも。従来はSalesforceのレポート機能で一覧をつくり、詳細画面に遷移して該当箇所に入力していましたが、GrapeCity Spreadsheetの導入後は、入力ミスがぐっと減り営業部員から感謝されています。
入力・編集したい箇所を見つけたら画面遷移せず、そのまま編集できるExcelのようなユーザーインタフェースはミスの防止にもつながるのだと思います。
GrapeCity Spreadsheetの導入効果
- ExcelやGoogleスプレッドシートと同じ画面にできるので現場の作業が変わらない
- 現場の入力負担がないので、Salesforceへのデータ登録に抵抗がなくなる
- 結果として、Salesforceの機能を存分に発揮でき、業務改善につながる
- 非定形の入力作業時に、抜け・漏れがなくなる