の導入事例

取材協力:2020.04

待ちの態勢から攻めの営業スタイルを目指しSalesforceとRaySheetの導入で業務効率を大幅に改善した

株式会社FRONTEO様


※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。


株式会社FRONTEOは2003年に創業したAIソリューションを手がけるIT企業です。自然言語処理に特化した独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT」と「Concept Encoder」を用いて、情報解析を支援しています。国際訴訟支援、不正調査などをAIで支援するリーガルテックAI事業をはじめ、製造、金融、小売、流通など一般企業向けにソリューションを提供するビジネスインテリジェンス事業、医療・介護のデータの解析を行うライフサイエンスAI事業などを手がけています。

FRONTEOでは商談や案件情報、取引先関連情報などをすべてExcelで管理しており、データの入力や活用の面で課題が発生していました。CRM機能として圧倒的に不十分な上、集計・分析の効率も悪く、管理部門に大量のタスクが降りかかっていたのです。そこで、データの一元化を目標として、2019年3月にSalesforceを導入、6月にPardotを導入。RaySheetは5月から試用を開始し、7月に導入しました。今回は、その導入に至るまでの経緯と導入効果について、株式会社FRONTEO 社長室 デジタライゼーション担当マネージャーの森山真一様と主任の竹林苗穂様にお話を伺いました。


【課題】KPIを監視してタイムリーな営業活動を行いたい

わずか1年前まで、FRONTEOでは商談を始めとするすべての情報をExcelで管理していました。Excelが得意な事務処理担当の方が、マクロを駆使したファイルを作成し、集計を行っていたのです。集計そのものはできていたそうですが、リアルタイムでのリード管理や営業分析などはできませんでした。

「例えば、KPIで商談プロセスを管理したくてもExcelでの運用では案件の状況変化を追うことは難しく、集計・可視化して、各人ごとに活動量やその内容を見て、来月どうする、という話ができていませんでした。また活動履歴が可視化されていないため、適切なタイミングで顧客への情報提供や営業アクションを行うことが難しいセールススタイルになっていました。」(森山氏)

他には、経営陣やマネージャーが「今」の業績を知ろうとした時に、Excelのマクロを基にした内製ツールにコマンドを打って取り出さなければならないという問題もありました。そのツールはある程度操作に習熟しなければ使えないものだったため、管理部の限られた担当者しかデータ抽出を実行できず、現状確認に時間がかかってしまうという課題も発生していたそうです。

こうした課題を解消する目的もあり、Salesforceを導入したそうです。他のCRM製品も検討したのですが、CRMパッケージとしては最も普及しているSalesforceを導入することに決まりました。

顧客管理/案件管理/売り上げ管理に活用しはじめたのですが、そこで別の課題が発生しました。FRONTEOが提供するAI関連サービスの一部はサブスクリプション型の商材です。リーガルテック分野だけでなく、ビジネスインテリジェンスやライフサイエンスなどの分野にも拡大を目指しています。しかし、拡張機能を導入しないSalesforce単体の仕様では、サブスクリプションのビジネスの入力がとても手間だというのです。

例えば、ある企業が月払いで1年間のサブスクリプションの契約を獲得した場合、12ヶ月分の受注データをSalesforceに登録することになります。最初は、その営業担当が、12ヶ月分を手入力していたそうですが契約の途中でユーザー数の増加や解約などの変更があることも多く、それを正しく入力するにはとても手間がかかることがわかりました。

また、商談の案件管理では、退職や配置転換が起きる度に、その人が担当していた商談の内容を書き換えなければいけません。そのたびに、1個1個の商談を開いて、項目を書き換え、保存して次の商談を開くといったことをしていると、仕事が回らなくなってしまいます。

「数千件のデータを1度に入力するならデータローダーを使うのですが、エンドユーザによる入力業務には適しません。そこで、日常的な入力を手軽にできるツールを探しました」(森山氏)

Salesforce + RaySheet導入前の課題

  • Excelで管理していたのでタイムリーなデータの活用ができなかった
  • 管理部門がExcelのマクロからデータを引き出すという業務負担
  • Salesforceでサブスクリプションの契約を入力するのが大変

【導入】運用に手間がかかっていたExcelをSalesforceに移行させる

データの入力を簡単にしてくれるツールが必要になり「RaySheet」が候補にあがりました。Salesforce導入を進めた前任者がSalesforceをExcelライクのUIで使える「RaySheet」を以前から知っており、試してみたとのこと。

リーガルテックAI事業では、売り上げの予測管理から実績を反映させる予実管理作業をSalesforceに移行しました。元々のシステムは四半期ごとに帳票を作るため、毎月そこに数字を入れなければならなかったのです。実績入力にとても手間がかかるうえ、100件くらい作成しなければならず、業務の負荷も大きかったそうです。もちろん、ビジネスソリューション部で利用していたExcelマクロ製の内製ツールもSalesforceに移行しました。

Salesforceの導入時には、5〜6時間の社内トレーニングを実施しましたがExcel業務に慣れていたため、操作性に違和感がなかったようでRaySheetの導入時にはたった30分ほど。それでも、ほとんど質問は寄せられず、問題なく使ってもらっているそうです。

「SalesforceやRaySheetはUIがユーザーフレンドリーなので、新しく営業担当が入ってきても、使用方法を数時間程度レクチャーするだけで、ほとんどの人が独力で使いこなせるようになります。」(森山氏)


【導入効果】さまざまな業務の処理時間を大幅に削減できた

月に100件の予実管理業務は、RaySheetを導入することで一発入力できるようになりました。そのおかげで、月間100分の業務時間を削減。このような効果がいろいろなところで発生しました。

サブスクリプション契約の情報を登録する際も、12ヶ月分をまとめて入力できるようになり、圧倒的に手軽になりました。例えば売り上げ予測を入力する際、5月から12ヶ月分のサブスクリプションの契約が50%の確度で取れそうだという情報を入力したとします。その後の営業で、確度が80%に向上した場合、RaySheetでまとめて変更できるので手間がかかりせん。1個1個変更する入力方式では、営業の現場ではきちんと入力してもらえないということも考えられるでしょう。

▲ RaySheetを導入することでフェーズ更新作業が効率化

引き継ぎや日報を書くといった業務もExcelで処理していましたが、Salesforceに活動記録を入れることで、それもゼロになりました。

「営業部にもRaySheetを渡して自分たちで見やすいビューを作れるようにしているのですが、活用してくれています。商談が発生する度に登録するのですが、人によっては日に複数件を入力することもあります。忙しい中、一つ一つ入力していくのは面倒なので、ExcelのUIでできるというのが魅力に感じてもらえていると思います」(森山氏)

新人のSalesforceアカウントにRaySheetの権限が付いていないと、使いたいとすぐにリクエストが寄せられるほど社内で活用されているそうです。営業担当がデータを入れることで、取引先や商談に関する各種情報が可視化され、月間これだけ訪問すればこれだけ成果が生まれるはず、といった見立てができるようになったそうです。

「経営指標となるデータも今では可視化され、経営陣も必要なときにレポート化された情報を見られるようになりました。そのおかげで、いろいろなところからデータを集めてExcelマクロを駆使してデータを作るといった業務から開放されました」(竹林氏)

営業の現場や経営陣が自らデータを入力したり取り出したりできるようになったことで、営業管理部の業務も大幅に効率化できました。森山氏は、もうSalesforceとRaySheetがないという環境は考えられない、と満足していただけたようです。

最後に、今後の展開について聞きました。

「今後はSalesforceに拡張機能を入れて、顧客満足度や本格的なサブスクリプション管理などのカスタマーサクセス機能を充実させるようにしていきます。RaySheetのライセンスが足りなくなってきたので、拡充しようと考えています」と森山氏は語ってくれました。

Salesforce + RaySheet導入後の効果

  • 月に1回、100分かかっていた予実管理業務から解放された
  • サブスクリプションの売り上げを手軽に入力できるようになった
  • 経営陣が自分で必要なデータを閲覧できるようになった

企業情報

株式会社FRONTEO

株式会社FRONTEO

本社所在地
〒108-0075
東京都港区港南2-12-23 明産高浜ビル(受付8階)
設立
2003年8月8日
事業内容
  • AIソリューション
  • リーガルテックAI事業
  • ビジネスインテリジェンス事業
  • ライフサイエンスAI事業
お問合せ先
https://www.fronteo.com/contact
Webサイト
https://www.fronteo.com/
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