取材協力:2021.6
Salesforceにおけるカスタム開発の課題を解決。介護・保育事業での求人・求職マッチング管理を効率化したRaySheet
株式会社フェスコム様
※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。
介護や保育領域における人材紹介事業を展開する株式会社フェスコムでは社内で管理する求人・求職者情報の基盤としてSalesforceを活用、そのなかで取引先となる介護事業所などへの架電システムを効率的に運用するためのソリューションとして、グレープシティが提供するRaySheetを導入しています。その経緯について、コーポレート室 中野 麻衣子氏および同室 湯川 竜也氏にお話を伺いました。
【課題】カスタム開発では自社での自由度が低く、使い勝手の改善も難しい
少子高齢化が加速するなか、福祉業界における人材不足を解消するべく、介護職や保育士などの転職支援事業を手掛けている株式会社フェスコム。介護職を中心とした転職支援サービス・求人サイト「介護ぷらす+」や保育士・幼稚園教諭を中心とした転職支援サービス・求人サイト「保育ぷらす+」、そしてメディカルツーリズムや訪日アテンドなど中国の富裕層向けに特化した事業などを展開しており、高い集客力を誇るサービスを展開しています。
そんな同社では、業務システムとして人材派遣業界に特化したパッケージサービスを利用してきましたが、単に求職者情報を管理する基盤としてしか活用できておらず、内部に蓄積された情報を新たな施策に生かすといった活用が十分に行われていませんでした。「事業が拡大するなかでデータを収集してうまく活用したいというニーズが高まったのです。当時の環境でもある程度は可能でしたが、データの集計や新たな管理項目の追加などの自由度に制限があり、新たな環境を模索しました」と中野氏は振り返ります。
そこで、中野氏がSalesforceをベースに、カスタム開発を駆使して新たな基盤整備を実施し、営業活動や求人・求職者管理の基盤として2年半ほど運用を続けてきたのですが、カスタム開発による弊害が徐々に顕在化してきたとのこと。
フェスコムでは事業所と求職者をマッチングするシステムをSalesforce内にて構築をしておりますが、そのシステムの使い勝手の改善が求められていたのです。「Salesforceのカスタム開発で刷新したところ、現場の要望に合わせてすぐにカスタマイズができなかったり、不具合の修正に時間がかかったりするなどの課題があり、営業部門に運用でカバーを求めていた部分もあったのです」と中野氏は語る。カスタム開発がベースのため、項目を追加するだけでパートナーに依頼する必要があり、コストや時間がかかってしまっていたのです。
RaySheet導入前の課題
- 求職者と求人のマッチングを効率化するSalesforceの画面を作成したい
- 営業現場の要望や業務変化にSalesforceのカスタム開発が追いつかない
【選定】データローダの代わりとしてのRaySheet、営業部門の業務改善にも使えると直感
一方で、中野氏が手掛ける管理業務でも課題が顕在化していました。情報の更新作業などが発生したりするたびに、Salesforceがデータの一括処理を支援する仕組みとして用意しているデータローダを活用していたのですが、作業自体のハードルが高く、管理者以外には扱えないなど属人的な状況に陥っていたとのこと。
そこで注目したのが、グレープシティが提供するRaySheetでした。「実際にツールを見てみると、抱えていた課題はもちろん、営業部門が行う業務の使い勝手向上にもつながるのではと考えたのです」と中野氏。
改善には、Salesforce上にスプレットシートのインターフェースが実装できる他のソリューションも試してみたものの、実際の運用には難しい面がありました。「他のソリューションでは該当のセルに持っていくまでに手間がかかるなど機能的な制限があり、Excel感覚として使えるという意味では、圧倒的にRaySheetの使い勝手がよかったのです」と語るのは、選定当時は営業部門にいた湯川氏。湯川氏含め、業務を行う複数の営業担当者に事前に確認したうえで、RaySheetが最適だと判断しました。
また、Salesforceの契約更新タイミングを迎えていたこともRaySheet導入のきっかけの1つでした。「契約更新のタイミングが追い風となり、もともと課題となっていた環境がRaySheetによって改善でき、かつランニングコストも削減できることが明らかになり、新たな環境への移行を決断したのです」と中野氏は述べます。
【効果】RaySheetがなければ業務が成り立たないほど業務に深く浸透
■システム拡張が自社で可能に、データローダでの業務をRaySheetが代行
Salesforceが提供するデータローダの代わりとしても利用しており、各営業担当者の成績集計や請求書発行前の金額確認作業といった確認・更新作業の際にも、RaySheetを用いて関連オブジェクトの情報を1つの画面に呼び出して活用するなど、多くの管理業務に活用の幅が広がっている状況です。「今やRaySheetがないとメインの業務が成り立たないほどで、毎日多くのメンバーがRaySheetに触れていると言えます」と湯川氏。
今回RaySheetを導入したことで、管理面で作業性が格段に向上しているという。「導入後はRaySheet上で更新まで実施できるようになっています。管理業務においても相当な工数削減になっていると実感しています」と中野氏は高く評価します。
システム改修についても、RaySheetであれば必要な項目が柔軟に追加でき、外部に依頼せずとも自社で改修可能な環境が整備できているそうです。「項目の削除や追加などが容易なため、以前のカスタム開発のころと比べて圧倒的にトライ&エラーしやすい。柔軟性が高いのはRaySheetの大きな魅力の1つです」と湯川氏は評価します。
■RaySheet活用の啓蒙活動を続けながら、営業活動業務へのさらなる浸透を目指す
今後については、担当者自ら使いやすい環境にしていけるよう、RaySheetの使い方などの啓蒙活動を続けていきたいとのこと。「業務の大きな流れは変わりませんが、ある程度自由にカスタマイズできるようになれば、使い勝手も相当向上するはず。現場から要望があれば、今は私のほうでチューニングして再リリースしていますが、今後は現場担当者でもカスタマイズして自由に活用してもらえるような環境を整備していきたい」と湯川氏。
また、営業部門においては限定的な領域でのRaySheet活用に現状とどまっており、案件管理ツールとしてはさらなる活用が期待しています。「出社した段階でSalesforceのダッシュボード画面をよく見る営業が多くいますが、定型の情報だけでなく、値の更新やダッシュボード上にない情報を見たいといったケースも実際にはあるはず。RaySheetをさらに活用し、営業活動に欠かせない業務のなかに取り入れていきたい」と今後について中野氏に語っていただきました。
RaySheetの導入効果
- 求人と求職情報をRaySheetで並列表示し効率的なマッチングが可能に
- Salesforceの画面開発を内製化できるので現場の要望に柔軟に対応