取材協力:2019.2
年間100万台を超えるPCを取り扱う際に欠かせないバーコードを「RayBarcode」で実装
株式会社ブロードリンク様
※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。
株式会社ブロードリンク様は、企業理念に『「活業」で人と地球を豊かに』を掲げる情報機器のリユース企業です。法人が使っていたPCなどの情報機器を回収・買取して、再販する事業を手掛けています。情報機器にはPC以外にも、サーバー、タブレット、スマホ、ネットワーク機器といったものも含まれます。さらに現在では顧客からの強い要望から、ATMや応接セットなど情報機器以外のものも扱うようになっています。
ブロードリンク様は2000年に設立され、現在では全国17拠点に展開し、全国9000社以上、上場企業800社以上と取引しています。年間に取り扱っているPCは100万台以上で、業界第1位の台数となっています。
企業が情報機器を預ける際に重視するのはセキュリティです。リプレースするPCなどから情報漏洩が出ないように適切に処理する必要があります。そこで、ブロードリンク様では50台の自社トラックを保有し、セキュリティ完備のセンターでのデータ消去を行っています。移送の最中はGPSとドライブレコーダーで追跡し、PCなどを入れるカーゴには回収するスタッフでは開錠できないキーを備え、荷台に死角がないように監視カメラを設置する徹底ぶりです。
そんなブロードリンク様では、2011年からSalesforceを活用しており、2016年からは営業以外の部門を含めて全社での活用が始まりました。様々な業務をSalesforceに連携させていくなか、回収スタッフが持参する紙の受領書にバーコードを入れることになりました。現在、受領書には「RayBarcode」でバーコード化された案件番号を印刷し、効率的に管理しています。今回は、「RayBarcode」を導入するまでの経緯と導入効果について株式会社ブロードリンク取締役副社長の村上崇様とマーケティング・IT戦略本部 副本部長の若狭谷拓様にお話を伺いました。
【課題】Salesforceの全社活用を推進するためにExcelをなくしたい
ブロードリンク様では、2011年まで情報機器の回収案件を管理するためにCRM/SFAツールを利用していましたが、更に情報を活用するためにSalesforceを導入しました。この導入により企業ごとのPCリプレースの周期やリース情報など受注率を上げる貴重な情報をSalesforceに蓄積できるようになり大きな成果を得たため、2016年には営業が関わるデータだけでなく、回収日程や回収する機器の情報など他部門の業務もSalesforceで管理していくことになりました。
「受注したら日程を調整し、ドライバーが機器の回収に向かいます。回収物はテクニカルセンターに入り、データ処理を行った後は証明書を出します。その処理の進捗まで一貫させたいのですが、回収担当部門ではSalesforceではない別のツールを使っていたので情報が途切れていました」(村上様)
株式会社ブロードリンク
取締役 副社長
そこで、ブロードリンク様はSales Cloudに加えて日本で初めてField Service Lightningを導入し、Salesforceで管理している回収情報をドライバーとも共有できるようにしたのです。ドライバーはスマートフォンで回収スケジュールを確認し、車両点検や自身の健康状態を入力。Salesforceで発行された紙の受領書持って現場に向かいます。現場での作業が完了したらスマートフォン上で完了フラグをたて、回収品は受領書を貼付しセンターに入庫。センターでは受領書の情報を元に入庫処理と回収品の整備を行います。回収品の入庫と整備のプロセスは基幹システムで行われます。
これによりSalesforceの営業案件から、回収作業、基幹システムでの入庫・整備プロセスが一貫できるようになりました。しかし課題も残っていました。
「ドライバーは印刷した受領書を持参し、現物で回収品に貼って持ちかえります。モノとデータを一緒に動かすには、モノになにか目印が必要になるためです。受領書には先方の会社名などが入っているのですが、現場からバーコードを入れてほしいという声が上がってきたのです。読み込むだけで基幹システムに情報をつなげるとか、当日に受け取った受領書を並べてまとめて読み込むといった作業をしたいというニーズがあったのです」(若狭谷様)
当時は受領書をExcelで作成していましたので、そこに案件番号をバーコードにして貼り付けていました。SalesforceにはそのExcelを添付し受領書の発行はそれを印刷する方法で対応しましたが、Excelに情報をコピーするなどの手間がかかる作業でした。
【導入】Excelファイルから卒業するために「RayBarcode」を採用
Excelファイルを介する無駄な受領書作成作業を廃止するための方法を模索する間もさまざまな業務管理にSalesforceの利用が進み、人事台帳や人事評価にも使われるように。特に人事評価シートでは入力効率を上げるため、SkyVisualEditorによる画面開発が進んでいました。
「 SkyVisualEditor」は、株式会社テラスカイが提供する画面開発プラットフォームでコーディングせずに柔軟なレイアウトを構成することができます。ユーザーはグローバルで55万人以上という定番ソリューションです。
「「SkyVisualEditor」は単に人事評価シートを作るだけでなく、帳票を作成したり、その画面をPDFファイルへ出力したりすることもできます。使い勝手もいいので、回収案件の受領書の印刷にも使えるのではないかと考えましたが「SkyVisualEditor」だけではバーコードの表示ができなかったのです」(若狭谷様)
株式会社ブロードリンク
マーケティング・IT戦略本部 副本部長
村上様はSkyVisualEditorでバーコードを表示できるソリューションをいろいろと探したところ、AppExchangeで「RayBarcode」を見つけました。
「「SkyVisualEditor」と連動できるバーコードコンポーネントは他にありませんでした。実はちょうど「RaySheet」の導入を決めたところで、「RayBarcode」も偶然同じ会社だというので驚きました。欲しくなるものはみんなグレープシティさんが作っている(笑)」(村上様)
そこで、「RaySheet」と同時に「RayBarcode」も採用していただきました。
RayBarcode導入前の課題
- 現場で利用する受領書にバーコードを印刷して管理の手間を減らしたい
- ExcelファイルなしでSalesforce上からバーコード印刷したい
- 「SkyVisualEditor」と連携するバーコード製品が欲しい
【導入効果】「SkyVisualEditor」の帳票にバーコードを表示してExcelから脱却成功
「RayBarcode」を導入することで、Salesforce上から受領書にバーコードを印刷できるようになりました。もちろん、Excelファイルの添付は不要になりました。ファイルの管理から解放されるうえ、Excelに情報をコピーする作業時間も削減できたのです。
バーコードを表示する帳票は、人事評価シートなどでも利用している「SkyVisualEditor」で作成するので、メンテナンスも簡単です。
「社内にプログラミングを引き受けてくれるシステム部門がないので、我々がメンテナンスできるのは非常にありがたいです。できるだけ、スクラッチの開発を入れずに標準機能でやろうとしています」(村上様)
今後は、いろいろな業務にバーコードを活用することを検討しているという。例えば、回収した情報機器を扱う現場を顧客が見学しに来ることがよくあるそう。その時に、バーコード付きの入館許可証を発行しておき、現場でスキャンすることで入出館管理をしたいという。
「他には、回収してきた伝票のバーコードをピッと読み込んだら、自動的にSalesforceのレコードを変えるようにしたりして、現場がもっと効率的にしていきたいですね。経理の入金消し込み業務も、必ず紙と付き合わせるので、バーコードを応用できないかなと思っています」と若狭谷様は語ってくれました。
RayBarcodeの導入効果
- Salesforce上からバーコード入りの受領書を印刷できるようになった
- 受領書印刷のためのExcelファイル作成から卒業できた
- 受領書の作成・印刷時間が80%削減できた
【SkyVisualEditorについて】
SkyVisualEditor
クラウドのリーディングカンパニーとしてSalesforceの導入や拡張機能を提供している株式会社テラスカイのSalesforceの画面開発プラットフォーム。コーディングせずにマウスのドラッグ&ドロップだけで、使い勝手のいい自由な画面を開発できる。